2014年10月10日金曜日

胸に来ちゃった IT HURTS ME




胸に来ちゃった IT HURTS ME

エルヴィス・プレスリーの多くのファンが支持してやまないバラードの傑作 <胸に来ちゃった>を聴いたことがありますか? 

コントラストが鮮やかだ。・・・・エルヴィスの声が気持いい日々です。
とにかく気持いいのは、エルヴィスが本物だからです。
そのどれもが気持いい。何を聴いても気持いい。

日本人というのは、物資が不足する状況であっても本質や本物にこだわっていた人種ではないのかと、古都を歩いていると強く感じる。

表面が華やかになるほど、本質から離れた極端な物質主義、上っ面だけに終始するばかり、そしてその実体は恐ろしく空虚な依存体質の蔓延。そんな気がするのは間違いだろうか?

ありとあらゆる分野でそれが進み、それも限界点に達しているかのように気分が悪くなるような犯罪が相次ぐようになってしまった。
どこかで歯止めがかかるのかも知れないという希望もないわけではないけれど、それとて、ないものねだりのような気がする昨今。。。。

ロストアルバムにもならないなくなったものはどこへ行った?
百年も二百年も暮らして来た訳でないので、昔のことを云々する資格もないけれど、
テレビでふと目にする歌番組ひとつをとっても悲しくなるほど痛々しく感じるはどういうわけなのだろう。



エルヴィスの一発録りが今更ながら宝物のように思えて愛しい。
僕が聴いたなkで一番寂しい歌を歌うよ」と地球上の1メートルにも満たない暗闇から世界に向けて涙のような汗を流しながら歌っていた姿の美しさが途方もなく輝いてみえる。
エルヴィスほど歌う姿が美しい人がいないだろう。

そんなエルヴィスの楽曲に優越つけるなんて意味ないことですが、
それでも<胸に来ちゃった>あるいは<愛しているのに>とかは、エルヴィスのバラードでも最高峰だと思ってしまうのは、聴いてる自分の心象風景ゆえでしょうか。

音楽の大きな役割は、心にはあるものの、言葉にできない、イメージすらきちんと整えられない、聴き手のぼやけた輪郭に対して、表現者が「おい、こんな感じだろう」ってはっきりと形にして提示すること。

それができる曲、詩、パフォーマンスは決して多くはないが、それをやってのけるところが名演の技。

<胸に来ちゃった>は、その挑戦が聴きどころになるが、ドンピシャ、来た来たと思う方がどれだけ存在したのかはその当事者のみが知るところである。

行き場のない情念を、相手を思えばこそ、そっと包んで隠した<愛しているのに>の深い深い味わいを残したバラードとまた違い、同じバラードでも、ブラッキーな力のある声で切々を歌う<胸に来ちゃった>は、<愛しているのに>で聴かせる自分の心情を抑圧することと比べたら、ずっと複雑だ。

裂けて千切れていくといっても、裂け方、千切れ方、涙の熱さも深さもミステリアスだ。

それがこの名演をもってしてもB面にとどめた限界かも知れないが、<胸に来ちゃった>は、限界突破のエルヴィス節がさえわたって暗い闇さえ真っ赤にして絶品なのだ。

<胸に来ちゃった>は、64年1.12の録音というところがミソ。
この時期のエルヴィスにしては久しくブラッキーなR&Bなロカバラード。
「やるときはやるぜ、この程度ならいつでも」の心意気が届いて胸に来ちゃった!
そう、ただやらないだけなんだと思い知らされて震えた人は地球上に多い。

<胸に来ちゃった>とかわいすぎる日本タイトル。しかもB面(両A面扱いだけど)ともあって不運な登場だったけれど、それでも本国では全米ヒットチャート29位にランキングされた。

本物は朽ちないと証しか、いまも根強く根強く支持され続けている。
スコティ・ムーア、フロイド・クレイマーなどバックのメンバーも60年代エルヴィス一家の強力布陣、バックコーラスも忘れがたい。

恋した女性が悪い男に弄ばれている姿を、ただ観ているしかない痛みを歌って切ないが、当の女性はそれこそが満足ということもある。

人はみんな幸福になりたいと口では言うが、行動は不幸、不幸へと突き進む人も少なくない。むしろ、そちらが多いのかもしれない。
真水では生きていけない魚もいるのだ。

それゆえ、ここで歌われる心情がより一層深いのだ。
はまれば誰より苦悩し、傷つくのは心底思う男だ。
つまり、その男もまた 真水では生きていけない奴なのだ。

この世は白か黒かでは判断できない七色の摩訶不思議。
届かない思いと引き受けようのない痛み。
愛する人の人生から排除されている悲しみ。
苦悶こそ人生の醍醐味と知る。・・・エルヴィス・プレスリーの”It's Hurts Me”

胸に来ちゃった

胸が痛むよ、あいつの君に対する態度を見ると
胸が痛むよ、君が泣くのを見るのは
ボクなら裏切ったりはしない
もしも君のような恋人がいたら
胸が痛むよ,君の目にうかぶ涙を見ると

町中の噂だよ、君はバカだって
いつまでもあいつの嘘を信じて
ボクなら裏切ったりはしない
もしも君のような恋人がいたら
胸が痛むよ、君が泣かされるのを見ると

愛しすぎて.君には見えないんだね
あいつは君をもてあそんでいるだけ
君のことを気にもしていないし、愛していない
これからも愛しはしないだろう
わからないの、彼は一生変わらない

あいつは君を自由にはしない
そういう男なんだよ
でも、もしも別れを告げるなら
君のこと、待っているよ
しっかりと抱きしめられる時を待つ
おやすみのキスができる時を待つ

           (歌詞翻訳:川越由佳氏)

この世の中にはつらいこと、悲しいことがたくさんある。でも忘れることだ。忘れて眠れば朝が来る。

いつか観た映画のセリフが、通用しない現実の空の下。
胸に来てしまった人、胸に来る一歩手前で止まってしまった人、胸を突き破って遠くまで行ってしまった人・・・・どんな世の中になっても、信じるもの、信じたいものを失わずに暮らしていきたいと思う人に、とにかく聴いてもらいたい。

古都の墨絵のような石庭を前にして、遠い空の彼方から聴こえて、脳裏に響くエルヴィスの声、極上の楽しみ方である。


IT HURTS ME

It hurts me to see him treat you the way that he daes
It hurts me to see you sit aud cry
When I know I could be so true
If I had samBone like you
It hurts me to see those tears in your eyes

The whole town is talking, they're calling you a fool
For listing to his same old lies
And when I know I Gould be so true
It I had someone like you It hurts me to see the way he makes you cry

You love him so much, you're too blind to see
He's only playing a garne
He nBver loved you
He never will
And darling, don't you know he'll never change

l know that he never will set you free
Because he's just that kind of guy
But if you ever tell him you're through
l'll be waiting for you
Waiting to hold you so tight
Waiting to hiss you goodnight
Yes darling, if I had someone like you



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